Case Study – Case Explanation

ペアパターンでガラスをデザインする

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「ペアパターン」とは一般的に「ペアガラス」や「複層ガラス」、「エコガラス」と呼ばれる2枚のガラスに乾燥空気を封入した断熱タイプの装飾板ガラスです。
「ペアパターン」は型板ガラスなどの装飾板ガラスと透明ガラスを使用しペアリングします。装飾板ガラスの凹凸面は空気層側にします。比較的平滑な方を表側にすることで、ホコリが付着しにくく、かつお掃除がし易いようにとの配慮からです。
よくお問い合わせがあるのは、装飾板ガラスは屋内側と屋外側のどちら側が良いか?とのお問い合わせです。一般的な透明ガラス(フロートガラスと言われます)とのペアリングの場合は、どちら側が装飾板ガラスでも断熱性能に変化はありませんが、お掃除の事を考えると装飾板ガラスは室内側が良いでしょう。

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ガラス構成 :                    2015建築・建材展
LowE3 – A12(空気層6㎜巾) – 043リストラルM4㎜ (熱貫流率1.80)

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ガラス構成 :
FL3㎜(屋外側) – A6(空気層6㎜巾) – 182YアルトドイッチェKイエロー 4㎜(屋内側)

 

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単板 : 182アルトドイッチェKクリア

 

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単板 : SP-100SNSS

 

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182アルトドイッチェKクリア(屋外側) 4㎜  –  A6㎜  –  SP100SNSS 3㎜(屋内側)

上記2種類のガラスをペアリングした「ペアパターン」
「ペアパターン」は窓に美しいガラスを取り込むことが出来ます。この製品の優れているところは、弊社取扱いの型板ガラス、カラーガラスの全てを使用出来るところです。室外側、室内側の2枚共装飾板ガラスを使用すると、上記のような、まさにオリジナルなペアパターンが誕生します。

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LowE 3㎜ – A6 – 182 4㎜

さて、機能ガラスとのペアリングの場合はどうでしょうか。

最近増えてきたLowEガラス(Low-Emissivity=低放射)や、防犯ガラス(中間膜の厚い合わせガラス)とのペアリングでは、性能が異なる場合があります。簡単な例を挙げてみます。

ケース1
屋外側  [ LowEガラス - A(空気層) - 装飾型板ガラス ]  屋内側
遮熱低放射タイプ : 夏の高い外気温を遮熱するタイプですので、夏が暑い地域に適しています。

ケース2
屋外側  [装飾板ガラス  - A(空気層) - LowEガラス ]  屋内側
高断熱タイプ : 暖かな室内温度が外に逃げるのを抑えますので、寒冷地に適しています。

これは装飾板ガラスに限ったことではなく、通常の透明ガラスとLowEガラスとのペアリングでも同様に性能が変わります。お住まいの環境により選択することが可能です。
*(放射熱などの詳しい解説は各ガラスメーカーのWEBで確認できますので、そちらを参照してください)

 

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FLK 01  4㎜(屋外側) – A6 – 防犯(FL3 + PVB30 + FL3)6.75㎜(屋内側)
防犯ガラスは中間膜を厚く(通常約0.38㎜→防犯約0.75㎜以上)した合わせガラスです。

「打ち破り、こじ破り」に高い抵抗力を発揮します。「ペアパターン」にした場合、装飾板ガラスは屋外側を推奨します。合わせガラスを破壊しようとした場合、屋外側のガラスを先に破壊しなければならず、その際に掛る時間、発生する音なども防犯に寄与してくれます。

 

 

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43リストラルM(チェッカーガラスとも)4㎜(屋外側) - A6㎜ – 耐熱強化5㎜(屋内側)
防火ガラス(耐熱透明ガラス)もそのガラス自体が機能を持っていますが、装飾板ガラスは屋外側を推奨します。

 

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043リストラルM 4㎜

 

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159リストラルK 4㎜ – A6 – 043リストラルM  4㎜

デザインする上で、機能を持たせることはガラスを選ぶ事と同じく重要です。
これら以外にもまだまだ機能の組み合わせがありますが、後日ご紹介致します。